(所属部署は研修時)

平成27年度
高見 重美  医学研究院附属ヒト疾患モデル研究センター 教育・研究支援センター 技術専門職員

【研修期間】 平成27年10月5日(月)〜平成27年11月6日(金)
英語研修:10月5日(月)〜10月30日(金)
インターンシップ:11月2日(月)〜11月6日(金)

 Ateneo Language Learning Center(ALLC)での英語研修は、参加者12名で2クラスに別れた。私のクラスは基礎レベルで、5名のクラスメートは全員ベトナム人の10代後半〜20代前半の私よりずっと若い女性達であった。4週間のALLCでの授業内容はおおよそ中学レベルであるが、全て英語で行われるので日頃英語を使わない私には聞き取るのが難しかった。授業では必ずグループディスカッションがあり、その後、意見をまとめて口頭発表または模造紙に書いて黒板にはり解説するという形式であった。慣れるまでは苦手であったが、この授業形態のおかげで否応なく意見とその理由を話さなければならずSpeakingとWritingのよい練習になった。また、お互いの生活習慣や性格を理解するのにも役立った。クラスメートについては、自分よりもかなり年齢が離れて若く仲間に入れるか心配したが、クラス分けの翌日教室に入ると「オハヨウ!」と全員の大合唱をもらい、驚くとともに本当にうれしくなった。この挨拶は最後の日まで続き、彼女達の気さくさにたくさんのことを学んだ。英語研修では国籍や年齢に関係なく友達ができたことが何よりの収穫であった。

  最後の一週間のインターンシップ研修において事前に私が提案した実務研修は2種類で、学生のサポートを行っている部署での研修と私が勤務している医学研究院 教育・研究支援センター(支援センター)のような生命科学分野の共通施設での研修であった。支援センターは一つの研究室で所有するのが難しい高額、高性能な大型機器を提供して研究のサポートを行っている。アテネオ大学に滞在中、全面的にサポートしてくれたOffice of International Relations(OIR)が研修計画を立ててくださり、学生のサポートをしているOffice of the Associate Dean for Student Affairs(ADSA)で研修を行うことができた。私が研修で参加したのは、仮IDカードの発行業務と遺失物の受取りおよび持ち主への受け渡しの窓口業務であった。アテネオ大学はIDカードがないと校内に入れないため、IDカードを忘れた学生のために仮のIDカードを発行しなくてはならない。会計で支払いをするための書類を渡し、学生が領収書を持参すると仮IDを発行するというシステムであった。初日は見よう見まねで書類を書くのが精一杯であったが、スタッフが丁寧に教えてくれたおかげで翌日から窓口に来た学生と対応できるようになった。
もう一つ提案していた共通施設での実務研修は難しいとのことで、代わりに施設の教官にインタビューをする機会をアレンジしてもらった。インタビューの相手は、アテネオ大学のSchool of Science and Engineeringの教官4名であった。多くの配慮をしていただき、インタビューだけでなく、施設の見学や技術職員から話をきくことができた。

 生活環境については、大学内は非常に安全であった。私の宿泊先から大学の入口までは10分かからず、周辺にはファーストフード、レストラン、コンビニ、本屋、スーパーマーケットがあり大変便利で危険を感じたことはなかった。日本で暮らすのと大差がないように感じたが、何日か過ごすうちに、物乞いをする子供、道の端で眠っている男の子を見かけ、格差を垣間見た。ほとんどの店にはドアマンがいて、このような店側の対策があって安全が確保されているのだろうと感じた。
現地で対応してくださった職員は、皆気さくで親切でした。インタビューを受けてくれた教官もとても丁寧に話してくれました。この研修の機会を与えてくださった基金事業課、国際交流推進室、そして長期間職場を離れることに理解を示してくれた支援センターの皆様に心より感謝申し上げます。支援センターには留学生も機器の利用に訪れるので、この研修で得た体験を業務に反映させていきたいと考えています。

今後もこの有意義な研修が継続されることを希望します。そして一人でも多くの九大職員がこの貴重な体験をして、職場に還元していくことを期待しています。

英語研修の教師&クラスメート

お世話になったOIRの皆さん

 

平成25年度
神田 敏和  工学府機械工学専攻・技術専門職員 


【研修期間】 平成26年1月13日(月)~2月28日(金)
英語研修:1月13日(月)~2月21日(金)
インターンシップ:2月24日(月)~2月28日(金)

 今回の研修で得たものを一言では言い表せませんが、英語での会話力は大幅に向上したと思っています。語学センターでの授業は毎日楽しく受講する事ができたのですが、授業の中には高いレベルを要求される授業も含まれており、ついていくのがやっとな授業もありました。ですが授業を受けていく中で楽しさの方が勝っていき、その結果、私の語学力の向上には少なからず影響しているはずです。講師の話している事も初期と後期では理解度もかなり違っていたと思います。会話力以外で得られたものは私の考え方かもしれません。海外へ旅行ではなく生活に近い滞在をしたのは初体験で、これまでの全ての海外旅行とは違うものを感じる事ができました。日本以外の生活レベルであったりそこに住む人々の考え方であったりというものを肌で感じる事ができたのではと思います。その上で今の私の状況と言うのは様々な面で恵まれているのだなと実感した事が多かったです。私の今の仕事においてもまさにその通りで、今の職場で仕事が出来る事は本当に恵まれた事で、そして仕事上、もっと向上できる事はいくらでもあるのではないか?と考える事が多くなりました。今回の研修は語学だけではなく仕事に対する気持ちまでも引き上げていただいた気がします。

 研修を終えてみて、辛い事は一つもなく楽しい事・身になる事ばかりだったと思いだされます。1か月半という期間は本当にあっという間で1年でも2年でもそこに暮らしていたいような気になりました。フィリピンという国をあまり知らなかった事もあって安全面や健康面での心配は多少はあったのですが、幸運にも何事もなく一度風邪をひいたくらいでした。

 

平成24年度
執行 龍介  工学部等経理課用度係 

【研修期間】 平成24年10月22日(月)~12月7日(金)
英語研修:10月22日(月)~11月30日(金)
インターンシップ:12月3日(月)~12月7日(金)

 10月22日(月)より始まった英語研修において、クラスは3つに分かれており、私は、一番基本的なクラスに配属となった。クラスメイトは14名で、台湾、韓国、ベトナム、日本の混合クラスであった。授業は、「Listening - Speaking」「Reading - Writing」の2つであり、それぞれの授業に2人の先生がおり計4人で1週間をまわすようになっていた。

 「Listening - Speaking」授業では、クラス内で自国の言語を使用することを禁止され、英語のみを使用するよう指示があった。初期の授業では、写真を見せられて「この写真についてどう思うか?」「何が描かれているか?」「どうしてそう思うのか?」といった質問が多くなされた。また、授業もモジュールの後半になると、個人やグループでプレゼンテーションをさせることが多くなった。自国の料理紹介や、訪ねてみたい国のことなど、緊張しつつも人前で話すことのよい練習になった。「Reading - Writing」のクラスでは、辞書を用いてはならない、という約束事が当初なされた。これは言葉を推測する力を養うためであった。先生陣は学生の発言に対して丁寧に、助言と指摘を加えていた。毎回出される宿題は、量が多く大変ではあったが、非常にためになるものであった。文章を作成する際の、基本的構造の作り方など今後に役に立つ研修となった。

 12月3日(月)より、Office of International Relations( OIR )にてインターンシップを行った。私の業務は、担当職員とともに、アテネオ・デ・マニラ大学の学生を海外に留学させる、その手助けをすることであった。業務中はALLCでの基本的な単語は少なく、専門的な言葉に苦労した。携わったビザ業務でいえば、日本大使館のホームページを英語で読むことが求められ、目的の文章や様式を探すのに時間を要した。今回、実務となると言葉の壁を感じた。また、現地スタッフとの意思疎通も、私の英語の拙さゆえか、若干の苦しさを感じることとなった。しかしながら、実際に英語を用いて、職務にあたるとはどういうことか、身をもって体験でき、非常に貴重な体験となった。

 アテネオ・デ・マニラ大学では、充実したプログラムで英語の基礎を固め、業務体験のよい機会を得ることができた。これからも学習を続け、今後の業務に生かしたいと思う。  今回の研修に当たっては、国際部の高原先生を初め、Office of International Relations のMs. Sheenaには大変お世話になった。また、多忙な時期にもかかわらず快くフィリピンへ送り出してくれた、工学部等事務部の方々へもこの場を借りて感謝の意を表したい。

sigyo
写真:Office of International Relations のみなさんと

 

平成24年度
端羽 広憲  医系学部等総務課企画・広報係

【研修期間】 平成24年10月22日(月)~12月7日(金)
英語研修:10月22日(月)~11月30日(金)
インターンシップ:12月3日(月)~12月7日(金)

 Ateneo Language Learning Center(ALLC)での英語研修は、6週間のスケジュールであり、講義は主にグループディスカッション、印刷教材を使用した指導、プレゼンテーションを実施する形式で行われ、実践的で業務に役立つ技術を習得することができました。また、プログラムの中で、学生の母国の伝統的な料理について、作り方やその背景にある歴史、文化に関して授業で培った技術を用いてプレゼンテーションを行い、実際にその料理を振る舞う『Food Festival』と呼ばれるイベントが実施され、プログラムに参加していた10ヵ国の文化に触れ、料理を楽しみながら、学習を行うことができました。講義中だけでなく日常的な交流においても、徹底してSpeakingやWritingのスキルアップに努めたため、英語によるディスカッションやプレゼンテーションができるようになったと感じており、これからも継続的に学習を進め、そのスキルを向上させていきたいと考えています。

実務研修においては、1週間の研修期間の中で、Office of International Relationsにおいて、Coordinator for Inbound Exchange Studentsと一緒に留学生の受け入れ担当業務を行いました。Officeに来る留学生のビザ(査証)手続きを行い、様々な国の学生と交流を図りながら、国際事業の進め方や受入体制についても教示してもらい、日本の国立大学との差異を理解しました。そして、Office of University Development & Alumni RelationsやAteneo Graduate School of Businessにも訪問させていただき、研修前から興味を持っていた事業や国際的な取り組みついて英語によりディスカッションを行い、たいへん貴重な経験をすることができました。

これまで、海外の大学から電話やメールを受けたときに、先方が何を伝えたいのかということが理解できない状況が多々あり、それについて、当然英語スキルに問題あるということはわかっていましたが、海外のスタッフがどのような背景を持ってこちらに要求しているのか、どのような基準・考え方で仕事をしているのかということを知らなかったということも一因にあったと今回の研修を通して理解することができました。本研修では、英語を学ぶだけでなく、顔の見える国際交流を通じて、相手のことを理解し業務を進めるということを実地にて修得でき、このことはこれからの業務において、海外との交流においてはもとより、他の場面でも生かすことができると考えています。

ALLCの友人や実務研修配属先のスタッフといっしょに様々な活動を行う中で、最初は慣れなかったフィリピン料理をとても美味しく感じるようになり、特徴的なフィリピンのクリスマスイベントの様子なども紹介していただき、文化的な面でも色々な発見をすることができました。この研修を通して生まれた国際交流をこれからも続け、業務にも反映させていきたいと考えております。
最後に、繁忙期であるにもかかわらず、快く7週間の研修に送り出していただきました医系学部等の教職員の皆様、本研修をご企画いただき、貴重な機会を与えていただきました九州大学基金、国際部の皆様に心より感謝申し上げます。

 
平成23年度
大塚 博文  総務部職場環境室職場環境係

【研修期間】 平成24年1月9日(月)~2月24日(金)
英語研修: 1月9日(月)~2月16日(木)
インターンシップ: 2月20日(木)~2月24日(金)

 本研修には採用時から興味を持っていたので、今回受講の機会をいただいたことは大変ありがたかった。
ALLCでの6週間の語学プログラムでは、韓国からの受講生が特に多く、次いでインドネシア、タイ、日本、中国、台湾、コンゴ、カメルーンなど国籍は様々であった。
授業内容は、中学・高校の復習を行うレベルであったが、講師陣は受講生の異なるバックグラウンドを活かしながら、アイディア豊かな授業を行っていた。カレッジの授業に参加したり、各国の料理を調達・試食したりと教室内に留まらない活動が印象的であった。本研修で第一の目標としていた英語力の向上については、基礎コースながらALLCの講師陣から評価を得ることができ、主観的にもコミュニケーションの改善には手応えがあった。
しかし、ALLCの外では意思疎通に不自由する場面も多く、最終週の実務研修では会話のスピードや専門的な用語についていくのに苦労した。この経験を今後の英語学習のモチベーションにしたい。
第二の目標としていたマニラでの生活体験や各国受講生と交流については、期待以上の経験と感動を得ることができた。
ALLCの友人たちとは、授業外でも食事やショッピング、映画、旅行など長い時間を共にしたことで、相互理解の深まりと行動範囲の広がりを感じることができた。文法は不完全で語彙も少ない英会話だったが、とても楽しく、心強く過ごすことができた。今後も彼らとの交流が続くことを期待している。

 実務研修では、現在所属する総務部の所掌業務の体験を希望し、人事を担当するHuman Resources Management Office(HRMO)と、広報を担当するUniversity Common & Public Relation Officeをアレンジしていただいた。
HRMOでは、職員の採用プロセスがポストごとであったり、ジョブローテーションがなかったりという制度上の相違だけでなく、男女共同参画に関する文化的背景の違いについても話すことができ、勉強になった。UCPROでは、Media Meterというサービスを用いてアテネオ大学関連のニュースを収集し、広報活動の経済的価値を算出するという取り組みが興味深かった。また、ロースクールの取材に同行し、記事を書くという体験もさせていただいた。

 渡航前は日々の業務や生活に追われ、英語力の底上げどころか現地の情報収集も不十分な状況だったため、少なからず不安はあった。実際、外国人に対して法外な代金を請求する人々がいたり、小さな子どもが走り寄ってきて金銭を要求したりと、油断できない場面や貧富の差が露骨になる状況もあった。
しかし、フィリピンで出会った多くの人々は親切であったし、初めての体験や新しい発見を重ねる日々は大変刺激的で充実したものであった。英語に自信のない方も、ぜひ本研修にチャレンジしていただきたい。

最後に、業務多忙の折、7週間の研修に送り出していただいた職場環境室の皆様、研修者の派遣・受け入れにご尽力いただいた両大学の関係者の皆様に心から感謝したい。

otsuka1
IELP修了式

otsuka3
アテネオロースクール
otsuka2
Human Resources Management
Office (HRMO)
   
平成23年度
末續 直子  貝塚地区総務課

【研修期間】 平成23年10月24日(月)~12月8日(木)
英語研修:  10月24日(月)~12月1日(木)
インターンシップ: 12月2日(木)~12月8日(木)

 平成23年10月22日から12月9日までフィリピン、アテネオ・デ・マニラ大学にて英語研修及びインターンシップに参加致しました。
 
 10月25日から12月1日までは英語の授業で、Reading, writing, listening, speaking のうち2つを受講しました。授業中はだけでなく休み時間も極力英語onlyで過ごしたので、学校内ではほぼ英語漬けで過ごせました。

 12月2日から8日までは、インターンシップ研修でアテネオ・デ・マニラ大学の他部署を経験することになりました。最初は、Office of International Relationsを訪ね、office managerの Sofia Castroさんに財務関係の現状を伺いました。留学生派遣担当のSuzzane Ann A. Andayaさん、留学生受入れ担当のMarchal Q. Murilloさんにそれぞれの現状をうかがいました。また、Central Accounting Officeでは、旅費担当の方とお会いして、アテネオ・デ・マニラ大学での旅費申請を伺いました。私は九州大学の学科事務室で勤務していますが、外国の大学や研究機関から出張で来られる方に旅費申請に必要な手続きや書類を依頼する場合に、他機関のルールがわからないので適切な説明ができているのか疑問に思っておりました。実際に伺ってみると、校費に関しては、九州大学ほどは細かい規程がないようですが、校費の予算が限られているので、打切りの場合も少なからずあるようです。また、財団など他機関からの財源の場合には、ヨーロッパやアメリカの財団や大学のルールに準じており、九州大学の申請ルールと似ているようでした。基本的に大きな差異がないとわかったので、今後の業務の参考にしたいと思います。

 研修では、日本語で説明できるのと同じくらい英語で説明できるようになるのを目標にしていましたが、研修時間が経つにつれ直接英語で考えることが多く、思ったことがそのまま口から出る割合が増えました。留学生や外国人研究者などに対して英語で説明するのに研修以前より自信がつきました。7週間もの間、英語学習に専念させていただきありがとうございました。今後の日常業務に活用致します。


平成23年度
先立 舞  企画部企画課評価係

【研修期間】 平成23年10月24日(月)~12月8日(木)
英語研修: 10月24日(月)~12月1日(木)
インターンシップ: 12月2日(木)~12月8日(木)

 私はこの研修にあたり、英会話能力の向上、また、それを今後の業務に活かしていくことを第一の目的に掲げた。また個人的な目的として、現在の自分を変化させたくて異国の地にあえて身体を置くことを望んだ。

 英語研修での英会話については、最初の方の授業では先生(クラスーメート含む)の英語の聞き取りだけでも困難を極めた。次に私が日々痛感したことは、自分の意見を主張するにあたって、最も重要になるvocabularyが圧倒的に足りないということだ。もちろん自覚していたことであり、研修中に身に付けたこともあるが、全く不足している。今後は私の伝えるべきことが確実に伝えられるような英語の勉強をしていくつもりだ。

 次に自らを異国の地に置くことで変化をもたらしたかったのは、視野の広さを求めたからである。今回の研修先はフィリピンであり、他国の人々の集まりで構成されたクラスでは、結果として、歴史、文化、宗教、教育等それぞれ異なり、私には彼らの価値観や考え方が理解できないことも多々あったことは確かだ。ただ、私たちクラスメートは価値観等の違いを共有し、様々な議論をすることができた。

 1週間のインターンシップは、OFFICE OF THE ASSOCIATE DEAN FOR RESEACH & CREATIVE WORKで行わせて頂くこととなった。この部署は、研究、学術出版物、学術のリンク作成及び創作活動を促進する業務が主であり、副学部長及びスタッフの皆さんの下で働かせて頂いた。今回のインターンシップでは、仕事の説明のあり方、効率的な仕事の進め方等、これからの私の職務に必要な基本的事項について再考する時間が持てた。

 最後に、このような貴重な機会を与えてくださりサポートしてくださった皆様に深く御礼申し上げます。

 

 


授業風景

Closing Program(dancing)

Internship先の皆様と
平成22年度 
越戸 陽子   医系学部等事務部(附属図書館医学図書館)

【研修期間】:平成22年1月10(月)~2月24日(木)
英語研修:1月10(月)~2月18(日)
インターンシップ:2月21日(火)~2月24日(木)

 アテネオ・デ・マニラ大学は、マニラ北部にある緑豊かな落ち着いたキャンパスで、非常にフレンドリーな学生に囲まれながら予想以上に充実した楽しい研修を送ることができました。

 まず、ALLC (Ateneo Language Learning Center)で6週間にわたって行われた英語研修内容が、非常に実践的でした。Listening & Speakingの授業でプレゼンテーションの機会が非常に多いのは予想していましたが、Reading & Writingの授業においても文章構成パターンの理解、用途に応じたビジネスレターの書き方など日本で教わったことのない新鮮な内容で、今後の業務にも役立ちそうです。どの授業でも常に活発に意見が飛び交い、グループワークでは仲間と意見を出し合いながら最終的な形にまとめ上げることが求められます。時には教室を飛び出し、ファーストフード店の客にインタビューをするなど、アイデアも豊富で熱心な先生方は常にユニークな授業を展開するので、次の授業が常に楽しみであると同時に、最後まで緊張感を保ちながら授業を受けることができました。14名のクラスメイトは韓国、中国、ベトナム、カンボジア、コンゴ、カメルーン、メキシコと非常に国際色豊かで、様々な発音の英語に耳を慣らす練習になりました。大学生のほか聖職者も半数近くを占めるという多彩な構成でしたので、多様な意見に接するのはもちろんのこと、学校全体が真剣に英語学習に取り組める雰囲気でした。

 最後の1週間は、アテネオ大学内にあるリザール図書館にてインターンシップを経験しました。フィリピンと日本の図書館の違いに関心があったので、図書館長さんにお願いし、様々な部署を訪問してその業務内容を理解できるプログラムを組んで頂きました。毎日、2~3の異なる部署を訪問するなか、具体的な質問をして知識を深めたり、逆に日本の制度について説明したり。まさに自分の業務に直結する内容を英語でやり取りできた、貴重な経験でした。幸運なことに、図書館は訪問する1年前に新築されたばかりでしたので、今の利用者が図書館に求めらるものは何かを考えた設計の工夫、サービスの展開など、本学の図書館としても見習うべき点が数多くありました。図書館職員同士、今後も情報交換など関係構築を続けていけたらと考えています。

 語学学校の友人に始まり、現地の学生や日本人留学生など、意識して友人の輪を広げたことで、アテネオ大学内のイベントや週末旅行など活動の幅も広がり、フィリピンの多くの顔を知る機会にもなりました。あまり馴染みがなかった国ですが、西洋とは異なったアジアの文化に触れ視野が広がったことは、本当に貴重な体験だと感じています。今後も、多くの職員の方に積極的に参加して頂きたいと思います。

 

 

 


英語研修の先生とクラスメイト

アテネオ大学図書館(2009年築)

英語研修の授業風景   

平成22年度 
道脇 健   学務部全学教育課経済支援係

【研修期間】 平成22年10月25日(月)~12月10日(金) 
英語研修 10月25日(月)~12月 3日(金)
実務研修 12月 6日(月)~12月10日(金)

今回の研修の最大の目的は、英語能力の向上であった。研修を終えてその目的が達成されたかと尋ねられると、正直言って即答できない。変化があったのは確実ではあるが、だからと言って、英語でスムーズなコミュニケーションができるようになったわけでもない。ただし、英語で何とか伝えようとする姿勢は、確実に身につけられたと言える。日本人は不完全な英語で話すことを恐れている傾向がある。私もそんな日本人の一人だった。しかし実際に英語だけの環境に身を置いたことで、とにかく伝えないと何も始まらないことと、不完全であっても概ね思いは伝わることがわかった。このことが理解できただけでも、今回の研修に行った意味は十分あったと思う。今後福岡で外国人観光客に出会った時は、コソコソ逃げずに、むしろ向かっていくくらいの心持ちでいたいと思う。

またフィリピン滞在中、一人で夜のKatipunan Avenueを歩いていた時に、ふと思ったことがある。それは、九州大学に来ている留学生は、今の自分のような感覚で毎日を過ごしているということであった。母国語が全く通じない状況で、基本的に何でも一人で切り抜けていかなければならない。頭では理解していたつもりであったが、実際に疑似体験することで、その大変さが身に染みてわかった。そしてそのような時に私が勇気付けられたのは、クラスメイトやOIPスタッフ、お店の店員さんが話しかけてくれる「カタコトの日本語」だった。全く日本語のない状況下で聞く日本語は、例えイントネーションが変であっても嬉しいものであり、恐らくそれは日本にいる留学生も同じなのではないだろうか。今回の経験を機に、現在応対している留学生の国のあいさつくらいは、覚えて使ってみようと思った。

最後に、今回の研修にあたり、アテネオ大との連絡をはじめ、寮や航空券の手配など様々なお世話をしてくれた国際交流推進室のみなさん、滞在中の諸手続きやインターンでお世話になったOIPのスタッフ、仕事に穴が生まれるにも関わらず、快く送り出してくれた全学教育課のみなさんに心から感謝の意を表したいと思う。この厚意に報いるためにも、今回の経験を今後の業務に活かしながら、九州大学の職員として更に成長できるよう頑張っていきたい。

[写真]

平成21年度 
仲田奈理子  情報システム部情報企画課

【研修期間】: 平成22年1月11日(月)から2月26日(金)
英語研修: 1月11日(月)から2月19日(金)
インターンシップ: 2月23日(火)から2月26日(金)

フィリピンのアテネオ・デ・マニラ大学で6週間の語学研修と1週間の職場研修を受けました。大学にある語学研修センターALLC(Ateneo Language Learning Center)に通い,英語漬けの毎日を過ごしました。今回の研修期間のモジュールは2クラスに分かれ計17人の受講生がいて,私のクラスは私を含め9人の生徒で,国籍はブラジル,メキシコ,韓国,中国,日本と国際色豊かで,職業も年齢も幅広く19歳から50代までの学生から神父さんまで普段出会うことがない人たちと一緒に学ぶことができました。Writing, Reading, Listening, Speakingを4人の先生が受け持ち,クラスの雰囲気は笑いもありってとても楽しく過ごしました。授業はディスカッションとスピーチが多くて,自分の国の伝統や文化を紹介したり,自分のこと,家族や友達のことについて語ったり,お互いの共通点を見つけたり,毎日新しい発見が数多くありました。

 インターンシップ研修では,アテネオ大学内の情報部門MIS(Management Systems Information)とCNG(Campus Network Group)を訪問し,インタビューと職場体験をすることができました。MISオフィスは, technical support(テクニカルサポート)とsystem development(システム開発)と2つの部門からなっており,テクニカルサポートではパソコンやプリンタ関連のトラブル対応,システム開発部門はアテネオ独自のAISISシステムの開発と運用を行っており,開発部門は情報の専門でスペシャリスト集団だと感じました。CNGオフィスは,大学内のLANや学生PCで使用する無線LAN,メールサービスなどの情報インフラ部分を扱い,人数が少ない中,アテネオキャンパスのネットワークを構築しており,運用面で学ぶ点も多くありました。インターンシップ研修を通じて,事務現場を実地に体験することができ,大変貴重な機会でした。 

7週間の生活の中で現地の人との出会いはたくさんあり,私が感じたことはフィリピンの人はみんな陽気で明るく親切で,そして何といってもフレンドリーで,ゆったりとしています。日本にはない国民性も持っています。国籍,言葉,宗教,人種,生活習慣,食べ物,価値観,全てのものはそれぞれの国で異なっており,当たり前に思っていたことが当たり前でなかったり,時にはカルチャーショックを受けたりしますが,異国の地がどれほど未知の世界で,魅力に満ち溢れていたかは言葉に言い表せないほどのものでした。本研修が今後も継続され,九大職員が進んで語学研修に参加することを期待します。語学のスキルアップはもちろんのこと,必ず充実した研修が送れることと思います。

平成20年度 
栗原瞳  学術研究推進部学術研究推進課


【研修期間】 平成21年1月3日(土)~3月1日(日)
語学研修: 1月12日(月)~2月20日(金)
インターンシップ: 2月24日(火)~2月27日(金)

私にとって、本研修での渡航がフィリピン初渡航であった。渡航前は、フィリピンに関する知識も決して豊富ではなかったし、治安に関する心配もあった。 また、私は決して英語が得意とは言えず、流暢に話ができるわけではない。出発前は期待と少しの不安が入り混じった心境だった。 しかし、実際にフィリピンを訪れて、(もちろん、日本での日常よりも自分自身の健康と安全に気を配る必要はあるが)必要以上に不安に思う必要はないのだと感じた。渡航前に思っていたよりも、ADMU周辺の治安はよく、人々は親切だった。「知らない」ために生じる誤解であったのだなと感じた。

本研修は、私にとって「語学を専念して学ぶことができる機会」であるだけではなく、「学生として大学を見つめなおすよい機会」でもあった。 また、フィリピンを初めとするアジアの国々に暮らす人々と交流し、その国の文化や人々の考え方などを、肌で感じる経験をすることで、これらの国々について理解を深めることができたように思う。また、国籍を超えて、かけがえのない友人を得ることもできた。これらの経験は、私自身の今後の語学学習のモチベーション維持にもつながり、またアジア指向、国際貢献などを標榜しており、今後より一層国際化を考えていく必要がある本学において業務を行う上でプラスになると感じている。

今後も、このような本学職員の研修の機会が継続され、多くの職員が自己研鑽の機会を得ることを期待したい。
また、本学職員の方々に本研修への参加をお勧めしたいと思う。(これまで、私を含めて事務職員5名(男性4名・女性1名)が本研修に参加している。) 本研修に参加する前、私自身も2ヶ月間職場を離れることや、1人でフィリピンに滞在することなどについて不安が無かったわけではない。しかし、実際に研修を終えた現在、これまでにも述べたとおり研修に参加してよかったと強く感じている。女性職員は治安の問題など不安に思うかも知れないが、前向きに考えてもらえればと思う。

平成20年度 
吉本賢次  理学部等事務部用度係


【研修期間】:平成20年9月1日(月)~10月24日(金)
英語研修: 9月1日(月)~10月17日(金)
インターンシップ: 10月20日(月)~10月24日(金)

研修期間8週間のうち、初めの7週間はアテネオ・デ・マニラ大学内にあるALLC(Ateneo Language Learning Center)で英語研修を受けました。ALLCはアテネオ大学のキャンパス内にありますが広く学生を募集しており、大学関係者のみならず幅広い年齢層(17歳~40歳代)、数多くの国籍の受講生(韓国、中国、インドネシア、ベトナム、マダガスカル等)がこの研修に参加していました。クラスは16人ほどでしたが、同国人同士でも会話は全て英語で行う雰囲気ができあがったため、毎日英語漬けの生活をおくることができ、語学能力向上には大変役立ちました。また、講義時間以外でもクラスメートと過ごす時間を増やすことにより、年齢、国籍を超えて様々なことを話すことができ、お互いの国の文化を学びながらも最後には国籍をまったく意識しないほどクラスメートと仲良くなれたのは私にとって大変貴重な経験でした。

最後の1週間は、本学の用度係又は調達課にあたるアテネオ大学のCPO(Central Purchasing Office)でインターンシップ研修をおこないました。ここでは本学とアテネオ大学との調達方法の違いを、質疑応答や実際の業務の体験を通して学んできました。フィリピンではほとんどの人が英語を話せるため、国外との直接取引や契約を多くおこなっており、学ぶ点が多々ありました。突然の訪問でしかも1週間という短いインターンシップ期間のため、先方に迷惑をかけるのではないかと心配でしたが、とても親切な対応をしてくださり、良い雰囲気でインターンシップを行うことができました。

フィリピンは他のアジアの国では英語学習のための人気の留学先となっています。英語研修の教室の中だけでなく全ての生活の場で英語に接することができますし、物価も安く、とてもにこやかでうち解けやすい国民性です。また、この研修では英語能力向上だけでなく、多くの国籍の人と接することができるため国際感覚も養うことができます。これらは今後大学職員として必ず役立つものだと思います。恐れずに好奇心をもって積極的に行動すれば得られるものが多い研修ですので、このような有意義な研修に今後も多くの九大職員の方が参加してほしいと思います。

平成19年度 
佐藤伸一朗  国際交流部留学生課国際戦略係


【研修期間】 平成20年1月7日(月)~2月29日(金)
英語研修: 1月7日(月)~2月21日(金)
インターンシップ:  2月26日(火)~2月29日(金)

 英語研修では、9名のクラスメイトと共に、7週間にわたる Speaking, Listening,
Writing, Reading の授業を受けました。クラスメイトは、韓国、インドネシア、スイス、コンゴから来ており、語学の向上はもちろん、日本を始めとする他のアジアの国々や世界の国々についても考える良い機会にもなりました。また、プログラム全体では、世界各国から集まった27名の受講生が参加しており、彼らとも良い友人関係を築くことができました。国籍や職業、年齢は皆ばらばらでしたが、同じ目線で学ぶ友人に出会えたことはかけがえのない財産となりましたし、また、今回は学生として研修に参加したこともあり、「大学」を今一度見つめ直す良い機会にもなりました。

 インターンシップ研修では、アテネオ・デ・マニラ大学の国際交流を担当している 部署、同窓会を担当している部署、広報及び150周年記念事業を担当している 部署などを訪問しました(アテネオ・デ・マニラ大学は2009年12月に150周年を迎えます)。アテネオ大は同窓生と良好な関係を構築しており、この関係を礎として様々な活動を展開しているのが印象的でした。また、英語研修を受講した ALLC(Ateneo Language Learning Center)にも、九大職員として改めて訪問しました。
既にスタッフ全員と親しかったため、良い雰囲気の中、今後の両大学の連携に ついて協議を行うことができました。

 同じ「アジア」に位置するフィリピンで学んだということもあり、心身共にリラックス して研修に臨むことができました。8週間の研修を通じ、これまで以上に語学力 をブラッシュアップすることができたと確信していますし、自身の視野も広げることができたと思っています。英語研修とインターンシップ研修を併せて行う本プログラムは、本学職員の自己研鑽には最適だと言えますので、今後もこのような職員研修が継続的に実施されていくことを強く望みます。

photo2 photo4 photo1
OIPの協定校地図 お世話になったGlenn氏(OIP 共に学んだ同じクラスの仲間たち、
お世話になったALLCの講師陣

 





平成18年度 
兵藤健志  医系学部等事務部(附属図書館医学分館)


2007年1月8日から3月2日までの約2ヶ月間、フィリピンの名門私立アテネオ・デ・マニラ大学で職員研修を受けました。

初めの7週間は、英語研修として、同大学内の語学センターで英語習得プログラムを受講しました。このプログラムにはおよそ25名の受講生が参加しており、その出身地は韓国・中国・日本・マレーシア・インドネシア・ベトナムなどアジアを中心として9カ国にわたって国際色豊かでした。言語・文化・家族・教育などをテーマに、各国の受講生とディスカッションやスピーチを行い、語学力の向上だけでなく、お互いの文化への理解を深めることができました。

 最後の1週間は、実務研修として同大学の図書館で情報交換および職場体験を行いました。実際の業務にあたふたと戸惑いながらも、楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまいました。フィリピンにおいて図書館の職員は、専門職として法的に保障された国家資格を持っています。さらにそれだけでなく、修士号を取得するために働きながら大学院へ通うなど、常に自己研鑽を続けています。また、データベースなどの製品を独自に生産して海外へ販売するなど、積極的な取り組みには見習う部分が多くありました。

他にも、アテネオ・デ・マニラ大学で印象に残っているのは活発な学生の姿です。美しいキャンパスでのびのびと躍動する姿は本当に楽しそうでした。休日には、学生サークルに参加して小旅行へ出かけましたが、みなフレンドリーですぐに馴染むことができました。九州大学の学生のみなさんにも、アテネオ・デ・マニラ大学を留学先としてぜひお勧めします。きっと充実したときが過ごせるはずです。
photo3
平成17年度 
鶴岡洋介 企画部企画課企画調整係


  今回の研修を通じて,私は半分学生,半分職員といった立場から,Ateneo de Manila Universityを眺める機会を得た。私がこの大学に所属することによって感じたことが二つある。

 その第一は,学生のアクティビティの高さである。先にも述べたように,Ateneoには,社会福祉に貢献するための大規模なボランティア組織から,留学生との交流組織まで,様々なレベル・規模の学生組織が存在する。それらは,日本でいわゆる「サークル」や「部活動」というレベルとは異なる。ホームページを見ても分かるが,大学のキャラクターのひとつを表す「顔」であるかのように,ホームページの前面に扱われている。海外からの留学プログラムのほとんど全てに,それらの活動への体験参加が組み込まれているし,事務組織が公的にケアできない留学生の生活面等でのニーズについても,ASECのような学生組織が有効に機能している。つまり,大学の「外」に対するホスト的役割を学生自身が担っているともいえる。

 次に,私の2ヶ月半の滞在で体感することができた第二のものは,大学の持ついわゆる「ブランド」といったものである。Ateneoはフィリピン国内において確固たるブランドを確立している。創立150年という歴史は世界の大学の歴史と比べても決して古いほうではない。しかしながら,今日のAteneoが醸成しているブランドは,歴史や伝統もさることながら,むしろ過去そして現代のフィリピン社会において果たしてきた(現在も果たしている)役割にあるのではなかろうか。
Ateneoの教育理念は明確である。簡単に言えば,キリストの教えに則り,人類の幸福に奉仕する人材の育成というところにある。従って,学生はカリキュラムその他の求めるところにより,キャンパス内の修学のみにとどまらず,積極的に学外へ出て社会に奉仕することが求められる。また,文化の(特にカトリックの)土壌もあろうが,学生達は,そうした社会奉仕を,自分たちに課された自然な義務のように捉えているようでもある。

 現在のフィリピン社会は,貧困や政情不安といった様々な問題を抱えている。社会が抱える諸問題を背景に,(エキスパートの輩出もさることながら)社会,むしろ現実の国民の生活が,Ateneoに求めている役割が確かに存在し,大学と学生が主体的に果たしている役割,「サービス」が,大学としての「ブランド」を生み出しているような気がする。

 私の感じた「学生のアクティビティ」と「大学のブランド」とは,Ateneoについて言えば,不可分一体のものであり,特に後者は,現実に社会の抱える問題に対する,主体としての学生,大学による,ダイレクトな目に見える奉仕(サービス)の活動に拠るところが大きいのではなかろうか。