SVEP報告書2009年

2009年度SVEP(シリコンバレー英語研修)実施報告

Farewell Party の際の集合写真 カリフォルニア(CA)オフィスが全面的に支援する英語研修は、2007~2008年と過去2回に渡ってMonterey Institute of International Studies(モントレーにある語学専門大学)で実施してきましたが、2009年度からはCAオフィスのあるサンノゼ市(シリコンバレーの中心地)にあり、かつ九州大学の交流協定校あるサンノゼ州立大学のアメリカ英語研究所(SAL)に場所を移し4週間の研修を実施しました。


授業期間:
 8月24日(月)~9月18日(金)<4週間>
(福岡出発8/22(土)/福岡帰着9/20(日))

参加者: 計38名(学部・大学院および英語力を問わず)
学部生35名(1年生6名/2年生11名/3年生17名/4年生1名)
修士課程2名(1年生1名/2年生1名)
博士課程1名(2年生1名)

研修校: サンノゼ州立大学アメリカ英語研究所(SAL: Studies in American Language)
http://www.sal.sjsu.edu/

参加費用: SAL授業料 1,450ドル(教材、学生証、市内無料通学券などを含む)
ホームステイ代1,188ドル(1日44ドル×27日:2食付き)
航空運賃147,645円(航空券、その他諸経費を含む)
その他 旅行者傷害保険などに加入
(*航空券の手配、すべての参加費の取り扱いは、大学生協に委託)

 

SALでの授業・課外活動

(1)授業クラス
SVEP用の授業は、「Culture & Discussion」(アメリカ文化理解を目的とした英語による授業)と「Fluency & Comprehensibility」(英語によるコミュニケーション能力を主眼にした授業)の2つで構成されました。この2つの授業では、参加者38名がレベル毎に4つのクラスに分かれて少人数クラスにて受講しました。
また、プログラム第2週目からはElectiveというSALの一般学生が受講する選択授業を週に2日間(各4時間)受講しました。これは各授業時間内に開講される幾つかの授業クラスから英語学習の目的に応じて選ぶもので、他の国からの学生と一緒に学ぶ機会も設けられました。

(2)Conversation Club
授業とは別に週に2回の英会話の練習の時間(1回約2時間)も設けられました。この「Conversation Club」では、参加者が5つのグループに分かれキャンパス内の図書館や学生ホールなどで行われました。この時間では英語教育法を学ぶサンノゼ州立大学の修士学生が各グループのリーダーとなり、様々なトピックについて参加者に英語でしゃべって貰うという時間です。キャンパス内の屋外ベンチなどで実施する事もあり、開放的な雰囲気の中で英語を使って自分の意見を述べる練習を行いました。

(3)Language Exchange
サンノゼ州立大学で日本語を学んでおり日本文化に興味ある学生との交流の機会を作ってもらいました。SALのコーディネーターがSVEP参加者1~3名につき1名のサンノゼ州立大学を紹介し、お互いの空き時間にキャンパス付近で会い日本語と英語を双方が使って文化や言語について交流を図るものです。4週間という期間ですが、キャンパス内外でアメリカの大学生との交流を図る機会を持ってもらいました。

(4)Welcome PartyとFarewell Party
授業開始日(8/24(月))のオリエンテーション終了後には、SAL主催の歓迎パーティーが行われました。
また、プログラム最終週の9月16日(水)の夕方には、SALのDirector(所長)であるオニール女史の自宅に招待され送別パーティーが行われました。緑豊かな庭での屋外パーティーでしたが、SALの講師陣など4週間プログラムで出会った人と一緒に歓談しながら楽しい食事となりました。このパーティーの中では、プログラム参加者の一人である芸術工学府韓国人留学生による韓国民族楽器の演奏が行われ思い出深いパーティーとなりました。 

フィールドトリップ

 CAオフィスが支援して実施する英語研修では、英語能力を高めるという目的の他に、ビジネスや技術などでイノベーションが次々と起こっているシリコンバレーという地域特有のものの考え方や文化に触れてもらい、視野や価値観を広げてもらい『国際的座標軸』を持ってもらうことも本研修の目的としています。
プログラム期間中には2回のフィールドトリップを実施し、サンノゼ近隣の企業や大学、研究所を訪問しました。移動用のバスは、北米同窓会基金の支援金により手配しています。

SVEP2009のフィールドトリップ訪問先は以下のとおりです。

9月4日(金曜)午後 
スタンフォード大学訪問
・キャンパス内見学および散策
(九大医学研究院から研究留学中の2名の先生方による引率)
・池野文昭先生(スタンフォード大学・医学部研究員)講義
・スタンフォード医学部付属病院見学
9月18(金)午後 
アップル社訪問
・社内見学
・日本人社員数名からの業務説明および意見交換会
グラッドストーン研究所(UCSF・医学部)訪問
・馬場志郎先生(ポスドク研究員)の研究紹介
・Oshiro氏(事務局・副理事)からの研究所紹介
・参加者からの英語での発表・意見交換

松尾所長(特任教授)による講義

 プログラム3週目の9月10日(木)のSALの授業終了後には、大学キャンパス内の講義室へ場所を移し約1時間の松尾所長による講義が実施されました。この講義は「外から見た日本の30年‐国際的座標軸とイノベーション‐」と題して行われましたが、参加者にアメリカと日本の良いところ、そして変えたいところを考え一人一人述べてもらいながら、松尾所長の30年以上の米国駐在経験を通した外から見た日本についてのお考えを紹介の上、国際的座標軸」を持つことの重要性について語られました。また後半では、シリコンバレーの歴史を踏まえシリコンバレーで起こっている様々なイノベーションについて紹介されましたが、参加者は皆大変興味深く講義に聞き入っていました。

現地での生活について

SALでの授業の様子

  1. サンノゼ市内と空港までの往復の送迎について
    カリフォルニアオフィスがバスを手配し、職員が同行の上空港とサンノゼ市内間を送迎しました。到着日には、サンノゼ州立大学SALにてホームステイ担当者によるオリエンテーションの後、ホストファミリーの同伴により各滞在先へと移動しました。
  2. ホームステイについて
    サンノゼ市内のホストファミリーに各戸に2名ないしは1名でホームステイを行いました。ホームステイ中の食事は、朝と夕の2食が提供されました。またプログラム開始後1週間はホストの自家用車によるSALまでの送迎も行ってもらうよう依頼しました。
    ホームステイでは、朝起きてから寝るまでの終日英語による生活に触れられるため、日常会話の上達に役に立つ上、アメリカの文化や習慣を肌で感じてもらうことできるため参加者には英語の学習だけでなく異文化理解の上でも貴重な経験になったようです。サンノゼ到着日のホストファミリーとの初めの対面時には、参加学生は皆さん緊張した様子でしたが、フレンドリーなアメリカの雰囲気の中で滞在日数を重ねて行くにつれホストファミリーとの絆も深まり、日本への帰国日には多くの参加者がホストファミリーとの別れを惜しむシーンが見られました。
  3. ホームステイ先からのSALまでの通学およびサンノゼ市内の交通手段について
    基本的にはホストファミリーがSALまで送迎がありましたが、参加者の一部はバスやライトレール(路面電車)での通学を行いました。SALの学生は全員研修初日のオリエンテーション時に学生証とともにサンノゼ市内のバス・ライトレール(ともにVTAが運行)のフリー乗車券をもらいました。そのフリー乗車券を提示することにより、サンノゼ市内を無料で移動できます。
    http://www.vta.org/ 
  4. サンノゼ州立大学キャンパス内施設の利用について
    研修開始後のオリエンテーションにて、サンノゼ州立大学の学生証が発行されます。その学生証により、キャンパス内の体育施設(ジム、ボーリング場、プールなど)が格安の学生料金で利用できます。また、サンノゼ州立大学の図書館(Martin Luther King’s Jr. Library )はサンノゼ市の図書館としても利用されており蔵書数150万冊以上を所有数大規模な図書館です。この図書館も学生証により貸出などのサービスも提供されますが、多くの参加者が授業の空き時間等に利用していました。
    また、SALの教室棟、図書館などでは無線や有線でのインターネットのLAN接続が可能です。無線LAN機能のついたノートPCを持参すれば無線での接続が可能で、参加者の数名も利用していました。
  5. 週末(土日)の過ごし方について
    多くのホストファミリーがサンフランシスコやモントレーなどサンノゼ周辺の観光スポットやハイキングなどのアウトドア活動へ連れ出してくれたようです。また、参加学生同士でバスなどの公共交通機関を利用し、観光や映画鑑賞、博物館見学などを楽しんでいました。

参加者による事後アンケートより一部を抜粋

評価ポイントによる質問項目より
*「平均値」は5~1の5段階で評価したポイントの平均です。

質問項目 平均値  

授業内容はどうでしたか?

4.38

5(非常に興味がもてた)→(つまらなかった)1

授業は理解できましたか?

4.25

5(ほぼ全て理解できた)→(全く理解できなかった)1

宿題の量は?

2.63

5(多い)→ (少ない)1

授業時間数は?

2.86

5(多い)→ (少ない)1

教師の授業の進め方はどうでしたか?

4.64

5(非常にわかりやすい)→ (わかりにくい)1

教師は学生の理解度を考慮していましたか?

4.69

5(十分考慮されていた)→(全く考慮されていなかった)1

教師の授業に関する準備や工夫はどうでしたか?

4.67

5(非常によくできていた)→(不十分だった)1

テキストや資料は役に立ちましたか?

4.11

5(非常に役に立った)→(全く役に立たなかった)1

Conversation Clubは英会話の上達に役に立ちましたか?

3.44

5(非常に役に立った)→(全く役に立たなかった)1

Language Exchangeは英会話の上達や異文化交流に役に立ちましたか?

3.97

5(非常に役に立った)→(全く役に立たなかった)1

研修の成果について当てはまるものを選んでください(複数回答可:集計36名)
①リスニングが向上した(32名)
②スピーキングが向上した(31名)
③ライティングが向上した(4名)
④リーディングが向上した(1名)
⑤どれも向上しなかった(1名)
⑥その他〔恐れをなくした/スラングを少し覚えた/自信が付いた〕(3名)

研修の成果に満足していますか?

4.42

5(非常に満足している)→(全く期待はずれだった)1

ホストファミリーの待遇はどうでしたか?

4.5

5(非常に世話になった)→(全く気遣いなし)1

ホームステイで英会話能力が向上しましたか?

4.28

5(非常に向上した)→(ほとんど向上しなかった)1

ホームステイを楽しむことができましたか?

4.56

5(非常に楽しめた)→(全く楽しめなかった)1

SVEP研修について総合的に(授業・ホームステイ・フィールドトリップ)評価してください。

4.78

5(非常に良かった)→(よくなかった)1

4週間という期間は適当でしたか?(回答者36名)
適当だった(17名)/短かった(18名)/長かった(1名)

プログラムの実施時期(8/22~9/18)は適当でしたか?(回答者36名)
適当な時期だった(36名)/適当でなかった(0名)

アンケートのコメント欄より(一部を抜粋)
「授業の内容はどうでしたか?」に関するコメント

  • 日本の授業とは違い答えがなく自分たちの独創性を発揮して答えを作り出していくというものが多く、日本で答えのある問題ばかりに取り組んでいる日本人の私にとっては非常に難しい作業であった。しかし、自分の意見を表現していくことの大切さを学んだことは非常に大きいと思う。日本では黙っていても授業は進んでいくが、アメリカでは意見を言うことから進んでいくので。
  • ほとんどの授業が興味深く、カリフィルニアの文化や新しいidiomなどをたくさん学ぶことができた。
  • 英語をたくさん聞いたり、話したりすることができた。また英語でのプレゼンテーションなどもあり自分で考えて英語を話さなければならない機会を多く持てた。
  • 先生は良かったが、日本人のみのクラスというのが少し物足りなかった。
  • 日本とは異なる授業体系で、自由に発言・行動できたから。アメリカの文化や、音楽など、幅広いことを知ることができたので、自分の価値観もかなり変わりました。

  「研修の成果に満足していますか?」に関するコメント

  • 英語を話すことへの抵抗感がまったく無くなった。
  • 初めての外国で自分の英語の力を知ることができました。
  • 英語を話すときに感じていた不安やおそれを感じなくなった。
  • 短い期間だったが、相応の英語能力を取得できたこと。また、英語に対する視点が「勉強する科目」ではなく「多くの人とコミュニケートするツール」に変わったことで今後の学習意欲が高まったため。また、語学以外にもアメリカの生活様式や文化、思考などに触れることができ、そこから日本について再考する機会得、もっと日本を良くしようという気持ちが強まったため。
  • 英語の能力が上がったかはまだ実感していませんが,今回海外に1か月しかもホームステイを経験することができて,自分の中では大きな財産となりました.またアメリカ人と日本人との違いや,日本人としてこれからどうしていくべきか,ということを考えることができ満足しています。
  • 英語力の向上だけでなく、日本では感じることの出来ないアメリカ文化や、アメリカに住んでいる人の意見を知ることが出来たから。
  • 英語につかることができて英語への恐怖感が消えた。同じ九大にもたくさん友達ができた。いろんな国の友達ができて、たくさん話せた。フィールドトリップで、働く方の意欲を感じ、いい刺激になった。

キャンパス内での Conversation Club 時の様子

ページのトップへ