SVEP報告書2010年

2010年度SVEP(シリコンバレー英語研修)実施報告

カリフォルニアオフィスでは、この夏、2010「シリコンバレー英語研修プログラム(略称:SVEP)」を実施しました。SVEPの実施は今年で4回目となります。

シリコンバレーの中心に位置し、かつ本学の協定校でもあるサンノゼ州立大学のアメリカ英語研究所(SAL)において、学部、学年、英語のレベルもバラバラの42名の学生が、4週間、語学研修を受講しました。このプログラムは九州大学用に特別にアレンジされた授業で、それぞれの英語レベルに応じ、10名程度ずつのクラスに分かれます。学校での授業とホームステイでどっぷりと英語に浸かり、英語の壁を取り払うとともに、アメリカの学生、様々な国からの留学生と交流の機会を持つことで、視野を拡げ、国際的な感覚も養成します。 


授業期間:
 8月23日(月)〜9月17日(金)<4週間>

参加者: 計42名(学部・大学院および英語力を問わず)
42名中(1年生8名/2年生24名/3年生8名/4年生2名)
文学部/法学部/経済学部/理学部/医学部/歯学部/薬学部/工学部/芸術工学部/農学部/21世紀プログラム

研修校: サンノゼ州立大学アメリカ英語研究所(SAL: Studies in American Language)
http://www.sal.sjsu.edu/

参加費用: SAL授業料:$1,450(教材、学生証、市内無料通学券などを含む)
ホームステイ代: *2食(朝・夕)付き
(1ホストに1名配置の場合)$1,296(1泊$48×27泊)
(1ホストに2名配置の場合)$1,188(1泊$44×27泊)
航空運賃:184,475円(航空券、燃料サーチャージ、その他諸経費を含む)

SALでの授業・課外活動

(1)授業クラス
SALでの授業は、SVEP用に特別にアレンジしたもので、「Accent Reduction」、「Culture Discussion」、「Speaking and Listening」、「Presentation Skills」の4つで構成されました。この授業では、参加者42名がレベル毎に4つのクラスに分かれて少人数クラスにて受講しました。

SALの教師陣は英語教授法もしくは関連分野を専門とし、3年以上の教授経験をもったプロフェッショナルで、その質の高さに定評があります。参加学生からも、講師が丁寧で、興味を引く授業内容だったため、積極的な受講ができたと好評です。また約10人の少人数クラスのため、一人ひとりの理解度をケアしながら、発言するチャンスも多く、参加型の授業となりました。

(2)Conversation Club
授業とは別に週4回の英会話の練習の時間も設けられました。この「Conversation Club」では、参加者がさらに4,5名の少人数グループに分かれ、キャンパス内の図書館や学生ホールなどで行われました。この時間では主にサンノゼ州立大学の修士学生が各グループのリーダーとなり、自由なトピックについて参加者が英語でしゃべるという時間です。ボーリング場や、キャンパス内の屋外ベンチなどで実施する事もあり、開放的なリラックスした雰囲気の中で、英会話の練習を行いました。

(3)Welcome Party, Pizza Party, Farewell Party
授業開始日及び授業終了日には、SAL主催の歓送パーティーが行われました。SAL講師陣、Conversation Clubのリーダーなど4週間プログラムで出会った人と一緒に歓談しながら楽しい食事となりました。

また、プログラム中盤には、CAオフィスが主催し、サンノゼ州立大学の学生とのピザパーティーを開催しました。サンノゼ州立大学の学生、SALの学生など、総勢100名を越える参加があり、地元学生や他国の学生と英語でコミュニケーションをとりながら知り合う機会となりました。中には、このピザパーティーをきっかけに、研修期間を越えた友達となり、今でも連絡をとりあっている学生もいます。

フィールドトリップ

 CAオフィスが支援して実施する英語研修では、英語能力を高めるという目的の他に、ビジネスや技術などでイノベーションが次々と起こっているシリコンバレーという地域特有のものの考え方や文化に触れてもらい、視野や価値観を広げてもらうことも本研修の目的としています。

プログラム期間中には毎週金曜日、計3回のフィールドトリップを実施し、サンノゼ近隣の企業や大学、研究所を訪問しました。移動用のバスは、北米同窓会基金の支援金により手配しています。

SVEP2010のフィールドトリップ訪問先は以下のとおりです。

9月3日(金) 
スタンフォード大学訪問
・池野文昭講師による講義
Cisco Systems社訪問
・会社概要説明
・最新テクノロジーを含む社内見学
9月10(金) 
Intuitive Surgical社訪問
・会社概要説明
・遠隔手術ロボットDa Vinciの説明、操作体験
アップルストア、インテルミュージアム訪問
9月17日(金) 
エルカミノ病院訪問
・担当者による病院施設説明

現地での生活について

  1. サンノゼ市内と空港までの往復の送迎について
    カリフォルニアオフィスがバスを手配し、職員が同行の上空港とサンノゼ市内間を送迎します。到着日には、サンノゼ州立大学SALにてホームステイ担当者によるオリエンテーションの後、ホストファミリーの同伴により各滞在先へと移動しました。
  2. ホームステイについて
    サンノゼ市内のホストファミリーに各戸に2名ないしは1名でホームステイを行いました。ホームステイ中の食事は、朝と夕の2食が提供されました。ホームステイでは、朝起きてから寝るまでの終日英語による生活に触れられるため、日常会話の上達に役に立つ上、アメリカの文化や習慣を肌で感じてもらうことできるため参加者には英語の学習だけでなく異文化理解の上でも貴重な経験になったようです。サンノゼ到着日のホストファミリーとの初めの対面時には、参加学生は皆さん緊張した様子でしたが、フレンドリーなアメリカの雰囲気の中で滞在日数を重ねて行くにつれホストファミリーとの絆も深まり、日本への帰国日には多くの参加者がホストファミリーとの別れを惜しむシーンが見られました。
  3. ホームステイ先からのSALまでの通学およびサンノゼ市内の交通手段について
    参加者の一部はホストファミリーがSALまで送迎がありましたが、基本的にはバスやライトレール(路面電車)での通学を行いました。SALの学生は学生証とともにサンノゼ市内のバス、電車(ともにVTA (http://www.vta.org/)が運行)のフリー乗車券をもらいますので、サンノゼ市内を無料で移動できます。 
  4. サンノゼ州立大学キャンパス内施設の利用について
    研修開始後のオリエンテーションにて、サンノゼ州立大学の学生証が発行されます。その学生証により、キャンパス内の体育施設(ジム、ボーリング場、プールなど)が格安の学生料金で利用できます。また、サンノゼ州立大学の図書館(Martin Luther King’s Jr. Library )はサンノゼ市の図書館としても利用されており蔵書数150万冊以上を所有数大規模な図書館です。この図書館も学生証により貸出などのサービスも提供でき、多くの参加者が授業の空き時間等に利用していました。

    また、サンノゼ州立大学のキャンパス、SALの教室棟、図書館などでは無線や有線でのインターネットのLAN接続が可能です。無線LAN機能のついたノートPCを持参すれば無線での接続が可能で、参加者の数名も利用していました。

  5. 週末(土日)の過ごし方について
    多くのホストファミリーがサンフランシスコなどのサンノゼ周辺の観光スポットやハイキングなどのアウトドア活動へ連れ出したり、ホストファミリーの誕生日パーティーに参加したりと、ホストファミリーとの交流を深めていました。また、参加学生同士でバスなどの公共交通機関を利用し、積極的に観光に出かけたり、映画鑑賞や、現地学生と遊ぶなど楽しんでいました。

参加者による事後アンケートより一部を抜粋

評価ポイントによる質問項目より
*「平均値」は5〜1の5段階で評価したポイントの平均です。

質問項目 平均値

授業内容はどうでしたか?

4.7

5(非常に興味がもてた)→(つまらなかった)1

授業は理解できましたか?

4.3

5(理解できた)→(理解できなかった)1

宿題の量は?

3.8

5(多い)→ (少ない)1

授業時間数(週16時間)は?

3.0

5(多い)→ (少ない)1

教師の授業の進め方はどうでしたか?

4.6

5(非常にわかりやすい)→ (わかりにくい)1

教師は学生の理解度を考慮していましたか?

4.6

5(十分考慮されていた)→(考慮されていなかった)1

教師の授業に関する準備や工夫はどうでしたか?

4.8

5(非常によくできていた)→(不十分だった)1

テキストや資料は役に立ちましたか?

4.5

5(非常に役に立った)→(全く役に立たなかった)1

Conversation Clubは英会話の上達に役に立ちましたか?

3.4

5(非常に役に立った)→(全く役に立たなかった)1

研修の成果に満足していますか?

4.2

5(非常に満足している)→(全く期待はずれ)1

ホストファミリーの待遇はどうでしたか?

4.3

5(非常に世話になった)→(全く気遣いなし)1

ホームステイで英会話能力が向上しましたか?

3.9

5(非常に向上した)→(ほとんど向上しなかった)1

ホームステイを楽しむことができましたか?

4.2

5(非常に楽しめた)→(全く楽しめなかった)1

SVEP研修について総合的に(授業・ホームステイ・フィールドトリップ)評価してください。

4.7

5(非常に良かった)→(よくなかった)1

4週間という期間は適当でしたか?(回答者36名)
適当だった(21名)/短かった(15名)/長かった(0名)

アンケートのコメント欄より(一部を抜粋)
SVEP全般に関するコメント(自由記述)

  • シリコンバレーは、多くの国からの研究者技術者が集まっているせいか、きれいな英語を話すことよりも論理的な意見を述べることを人々が求めているように感じた。自分の意見をしっかりと持たないとこの国では成功しないと感じた。
  • 初めての海外ということもあり、分からないことがいっぱいな上、英語が得意ではなく、特にリスニングは大の苦手であるため、不安はいっぱいありました。しかし、九大生はみんな優しく、楽しい方たちであったため、不安もすぐになくなりましたし、九大に戻ってからも仲良くしていたい、と思えるすてきな仲間になりました。
  • 授業も日本のスタイルとは全く違っていて楽しかったです。自分が主体的に参加できる授業スタイルで、失敗を恐れずに話せるのが良かったです。
  • ほとんど初めてに近い海外だったが、アメリカの生活・文化に触れることで自分の考え方がかなり変わったと思う。なんで自分はもっと早くアメリカに来なかったのかと後悔するほど今回の研修は有意義すぎた。
  • アメリカにいる人は多くのことに関心を持っているのに対し、自分は日本文化のことも良く知らない現実に直面し、ショックを受けた。
  • 私はこの研修に参加したことで予想していたもの以上のものを得ました。まず私をこの研修で1番のびのびさせてくれたのは、ホストファミリー一家です。彼らとの出会いがあったおかげで何でも物おじすることなくアクティブに行動することができました。例えば毎日一日であった出来事を話したり、自分が分からないことはすぐに質問したり、partyの計画を立てたりすることで、英語で伝えて、つたわることの嬉しさ、分かることの嬉しさを感じる事ができました。いつも私のことを気遣って下さり、私が不安にならないように出来るだけ時間を使って私にアドバイスや説明をしてくださいました。この毎日があったからこそ、学校でも授業中に発言することを恐れる事なく出来たと思います。
  • 授業ではどの先生も興味を引き付けるような授業内容で、モチベーションを高く持ったまま受ける事ができました。特にプレゼンテーションの授業では自分が練習した分の成果が目に見えて分かったし、その分先生がほめてくださるので、すごくやる気が出ました。
  • 私がアメリカで得たものは、私でも自分の主張をすれば十分理解してもらえること、きちんと評価してもらえることに気付いたことです。思っていることを行動に移すことを日本では恐れがちだし、行動しなくても何となく理解してもらえるけど、アメリカでは口に出さないと分からない。そしてありがとうということで自分も相手も嬉しくなる。これらは私が一カ月滞在して実際に経験したことです。これらを日本ですることが今ならできる気がします。日本でもアクティブに行動して責任感のある柔軟な人間になりたいです。
  • カルチャーの違いが非常に面白かったです。多彩な人種がともに生活するという今までにない世界を知りました。シリコンバレーのカルチャーの良い点、悪い点を発見し、日本のカルチャーの良い点・悪い点を見直すことができました。どちらの方がよいというわけではなく、自分の世界が以下に狭かったかに気付きました。視野が広くなったことで以前より幅広く物事を受け入れる事ができるようになりました。
  • SVEPにきてこんなに感銘を受けるとは正直思っていませんでした。英語を話すことは何も特別なことではないことを痛感しました。
  • アメリカに来る前は、英語なんて嫌いだし、苦手意識から避けてきたけど、苦手意識を少しでも克服したくてSVEPに参加しました。こっちに来て初めて自分の英語がほめられて、プレゼンのCompetitionでチョコをもらえたことが自分の自信になりました。しゃべれないと思っていたけど、英語の世界に飛び込んでみると人はみんなフレンドリーで気づくと英語をしゃべれていました。
  • フィールドトリップは普段見られない企業の中の様子を見られて良かった。いろいろと視野が広がった。
  • フィールドトリップによって英語に慣れ親しむだけでなく、アメリカの企業の強さなど日本にいては決して学べないことを学ぶことができたことは大変為になりました。
  • ホームステイでも私の英語力を考慮してゆっくりとわかりやすく話そうと心掛けてくださっていて、英語力を向上させる上で大変大きな役割を担っていたと思います。
  • 街に出た時や地元の方と交流する中で、さまざまな文化が混じり合ったカリフォルニアの文化に触れることができ、それがなによりも自分にとって刺激的でした。
  • カリフォルニアでの開放的な雰囲気や、アメリカの、他人と違う点を容易に受け入れる、意見をはっきり主張しあう環境に一ヶ月間身をおいたおかげで、自分が他人と違う意見を持っていてもいいんだということ、違っていいんだという思いがしっかりと自分の中に根付き、そしてそれが日々自分を励ましているのを感じます。日本で決められた枠から飛び出し、多くを経験したおかげで、柔軟に考えられるようになったとも思います。

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