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▼現地レポート② >> ウプサラ大学


5月23日月曜日、午前は植物学の父カール・リンネの300周年を祝うレセプションがウプサラ大学のメイン・ビルディングで開かれました。出席者はかつてのスウェーデン総理大臣ヨーラン・パッションや民主党(Folk Patiet)の党首Lars Leijonborgなど政府高官の顔がうかがえた。日本側からは、大使館関係者、かつてのノーベル化学賞受賞者野依良治先生等が招かれていた。

そんな豪華な顔ぶれの中で我々日本人交換留学生が招かれたのはインターナショナルオフィスのトーマスのおかげである。トーマスの担当する留学生に最高の体験をして帰ってもらいたいという彼の強い気持ちから、後にのべる天皇・皇后両陛下及びスウェーデン国王・王妃との対面も実現したのだ。

さてレセプションは全てのゲストが着席した後、私たちは天皇・皇后両陛下とスウェーデン国王・王妃・皇太子の7人の入場を待っていた。中央にはオーケストラとその指揮者が今や今やと入場の演奏開始をまっている。いよいよ入場のときがやってきた。最前列に天皇とスウェーデン国王、その後ろに皇后とスウェーデン王妃、スウェーデン皇太子ヴィクトリアが続いている。この瞬間、私は天皇の姿を見て鳥肌が立った。感無量とはこのことを言うのだろう。言葉では言い表せないほど感動した。

そして両陛下の訪問に感謝した。なぜなら私が世話になっているウプサラ大学、そしてスウェーデン国に対してこれほどの挨拶はないからである。何よりも感動したのが、天皇とスウェーデン国王グスタフが彼らの座る中央の椅子までやってきたとき、グスタフ国王は天皇に真ん中の椅子を差し出したからである。このグスタフ国王の天皇訪問を歓迎する紳士的な態度をみて、この国に来てよかったと心から思えた。その後レセプションではリンネのなした偉業に関してのスピーチや、リンネを祝うために今回初めてのオーケストラが演奏された。

さて午後は待ちに待った対面のときである。ウプサラ城にある噴水周辺で学生が待つところに、天皇・皇后そしてグスタフ国王・シルヴィア王妃・ヴィクトリア皇太子がやってきた。

まず始めに私のところに来られたのは皇后の美智子様だった。自己紹介をした後スウェーデンでは何を勉強しているのか尋ねられたので、環境について学んでいることをお答えした。科学的な面からだけでなく政治や経済の観点からも環境について学んでいると申し上げると、美智子様は「確かに環境を守るためには政治も安定し経済も発展していないと環境に配慮することは難しいかもしれないですね」といわれた。また、かつて1970年の大阪万博でスウェーデンを含む北欧の高官と話をしたことがあり、そのころから環境政策が進んでいたことについても述べられた。話のなかで美智子様は大変幅広くて深い知識を持たれていることが感じられました。この人が国の皇后であることを誇りに思いました。

次にグスタフ国王が握手をうながしながら近づいてきてくれました。何を勉強しているのか、どれくらい滞在しているのか、スウェーデン語は話せるようになったかなど簡単な質問での応対をしてくれました。シルヴィア王妃は非常に多くの時間を割いてくれました。シルヴィア王妃も握手をかわしてくれました。私のネームホルダーにはウプサラ大学で勉強した分野が書いてあるのですがそこにgenocideの文字を見つけて、どうしてgenocideについて勉強しているのか尋ねられました。私は自分が広島出身であることから戦争についての教育に関心があり、その他の場所で起こっている紛争について学びたかったと話すとシルヴィア王妃自身も長崎を訪問したことがあり、長崎の資料館でみた写真はとても悲惨なもので二度とこんな悲劇を起こすべきではないと語ってくれました。王妃の英語はとても丁寧で話しやすく素敵な会話をすることができました。

ヴィクトリア皇太子も握手をさしだしながら挨拶に来てくれました。皇太子とは特に何について話したという事もなく、スウェーデンはどう?良く来たねっといった感じの簡単な会話をしてくれました。最後に時間があんまりないからもう行くねっといってしまいました。しかし私とだけ帰り際にもう一度握手してくれたことをここで意味もなく主張しておきたい。

最後に天皇陛下が来られました。質問はやはり何について勉強しているのかを尋ねられました。天皇は環境について日本とスウェーデンでは人口が10倍以上ことなるため、スウェーデンのような自然に囲まれた都市環境を作るのは日本では困難であることなどを述べられた。

ノーベル化学賞の野依先生も「どう、スウェーデン?」と気さくに話しかけてくれました。日本人留学生全員に気合を入れるために元気良く全員に声をかけられていました。

今回の留学生との対面はグスタフ国王の提案だったと聞いています。貴重な体験を提供してくれたグスタフ国王をはじめ、それをサポートしてくれたインターナショナルオフィスのDirector LarsとThomas、外務省の方々、そして国際交流部のみなさんに最後にお礼をいわせていただき、この体験記を締めくくりたいとおもいます。
(工学部4年 安国 鉄平) 2006年9月~2007年6月ウプサラ大学に交換留学

※上記写真、手前右から、ウプサラ大学学長、美智子皇后、グスタフ国王、天皇陛下、シルヴィア王妃、ヴィクトリア皇太子