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サミット・イン・九州2007に寄せて

九州大学総長  梶山 千里


今日、現代社会は21世紀を迎え、グローバル化の時代にあって情報通信技術の発展により、あらゆる分野において飛躍的な進歩を遂げています。しかしながら一方では温暖化や環境汚染による様々な異常気象や環境破壊が地球規模で進行しており、国際社会において重要かつ緊急の課題となっていることも事実であります。

このような社会情勢において、人類のみならず地球上のあらゆる生物の未来を豊かで実りあるものにしていくための知的活動推進の場として、大学の担う役割は非常に重要であり、現代社会が日々直面する困難な問題の解決には、世界規模での知の結集と未知への創造力が必要不可欠なものといえます。

21世紀を迎えた最初の年である2000年5月に九州大学は、第1回目の「大学サミット・イン・九州」を開催いたしました。この会議には、世界8カ国の大学のトップが集い、世界の大学の一員として、人類が抱える様々な課題と21世紀における将来の大学が担う教育・研究の使命について、活発な議論を展開いたしました。そして世界中の個々の大学が新しい世紀を目指して教育・研究を充実し、社会のため、世界のために貢献できる大学像を模索していることを認識することができた非常に意義のある国際会議の一つであったと確信しております。また、この会議は、九州大学がアジアに所在する大学として、国際的な知の拠点形成へ向けた世界への扉を開いた第一歩でもありました。

現在、地域が直面する多種多様な課題は、世界の多くの場所で抱える共通の課題として我々の生活に影響を及ぼし続けています。地域が抱えるこれらの課題について、世界の大学が国境を越えた前向きな意見交換を行うことにより、我々は新たなる共生の方向性を探る手がかりを得ることができるでしょう。その可能性の芽を我々は強い信念と知的リーダーシップにより育み、新たなる未来社会へと導いていかなければなりません。我々は、この「大学サミット・イン・九州2007」を通して地域が模索する課題解決の一助として、大学が持つ知的役割を果たしていくことができることを強く願っております。

終わりに、今回の会議の開催に当たりご尽力いただきました全ての方々に深く感謝申し上げ、ご挨拶といたします。

(2007年10月)

 
 

 


 
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